アンドレ・ペダーセン
アジア債券部門(除く日本)CIO
運用経験 20年
アジア地域は、相対的に高い経済成長率を実現してきており、今後も高い成長性が見込まれます。こうしたアジア企業を取り巻く良好な環境を背景に、アジア社債(米ドル建て)は、魅力的な利回りを確保する手段として有望な投資対象であると考えられます。
経済成長見通し
出所:ブルームバーグ(実質GDP成長率、年率、2019年以降は推計値、2019年10月末現在)のデータをもとにマニュライフ・インベストメント・マネジメント株式会社が作成
アジア社債(米ドル建て)は、他地域における同等の信用リスクの債券と比べると利回りが高くなっています。これは、「アジア・プレミアム」と呼ばれる上乗せ金利が存在するためで、ハイイールド債券ではアジアは米国を1.6%上回っています(2019年9月末現在)。この「アジア・プレミアム」には、アジア地域における相対的なコーポレートガバナンスの弱さ、市場流動性の低さ、調査カバレッジの低さなどが反映されていると考えられます。
各指数の最終利回り
(2019年9月末現在)
出所:ブルームバーグ、JPモルガンのデータをもとにマニュライフ・インベストメント・マネジメント株式会社が作成
※アジア・ハイイールド債券:ICE BofAML アジアンダラー・ハイイールド・インデックス、米国ハイイールド債券:ICE BofAML 米国ハイイールド・インデックス、米ドル建て新興国国債:JPモルガン・EMBIグローバル・ダイバーシファイド・インデックス、アジア投資適格債券:ICE BofAML アジアンダラー・インベストメント・グレード・インデックス、米国投資適格債券:ICE BofAML 米国コーポレート・インデックス、米国10年国債:ブルームバーグ算出の米国ジェネリック10年国債利回り、日本10年国債:ブルームバーグ算出の日本ジェネリック10年国債利回り
アジア社債(ハイイールド債券)のデフォルト率は、過去20年間の平均では米国のハイイールド債券を下回っています。2010年以降、3%を下回る水準で推移しており、2018年は0.87%と低い水準になっています。今後もアジア企業の健全なファンダメンタルズやアジア各国中央銀行の金融緩和的スタンスを背景に、低い水準で推移することが期待されます。例えば、中国人民銀行(中央銀行)の金融緩和は、中国国内における人民元建ての借入コストの低下につながり、企業体力が維持あるいは強化され、ひいては中国社債(米ドル建て)市場の安定化にもつながることになると考えられます。
ハイイールド債券のデフォルト率の推移:米国との比較
(1998年~2018年、年次)
*「アジア」はS&Pグローバル・レーティング(S&P社)の定義に基づきます。
出所︰S&P社のデータをもとにマニュライフ・インベストメント・マネジメント株式会社が作成
アジア社債(米ドル建て)の投資家層は大きく変化してきています。アジア域内の投資家の保有割合が増加する一方、欧米投資家の保有割合は減少しています。このことは、市場混乱時の資金流出リスクを減少させ、アジア社債をより安定したインベストメントクラスにしていると考えられます。
アジア社債(米ドル建て、新発債)の地域別投資家保有状況
(2009年~2019年、年次)
出所:JPモルガン(2019年については2019年9月末現在の数値)のデータをもとにマニュライフ・インベストメント・マネジメント株式会社が作成
※数値を四捨五入しているため、合計値が100%にならないことがあります。
アジア社債(米ドル建て)の利回りに反映されている「アジア・プレミアム」は、充実した調査体制を有する運用会社に魅力的な投資機会を提供しています。マニュライフ・グループは、アジアで120年超の歴史を有します。この歴史を背景にアジアにおいて9拠点(日本除く)を展開し、現地に根差した50名超のプロフェッショナルがアジア債券の調査・運用を行っています。
アンドレ・ペダーセン
アジア債券部門(除く日本)(2019年9月末現在)